キプロス、碧い地中海に囲まれた豊かな大地、女神ヴィーナスとワインの誕生の地
そんなイメージの国、そしてこのクルーズでは最初に降り立つヨーロッパの地となる。
今回は弟と別行動で一人で
A-Bikeを担ぎ降りることとなった
キプロスの下船開始に即刻降りる! あまり人が居ない
ほとんどの人がツアーか、大勢での旅を選んだのだろう
一人旅の機動力の良さに感心しながらキプロスの大地を踏む
停泊している船の周りの、早速の碧に息を呑んだ…。
A-Bikeを担ぎながらも、足早に港の外に向かう
途中タクシー停留所があった、男が近づいてきて料金交渉を始めてきた。
男の傍らにはこじんまりとした車だが黒塗りで、ワックスでよく手入れされたタクシーが停まっている。
俺はバイクがあるので…。 どこに? この袋の中に? まさか?
組み立てる俺、すごいなと男
という会話を展開し、ここから自転車で20・30分くらいでリマソールの街に行けるだろうと教えてくれた
やはり途上国と違いなかなかマイルドな交渉だなと感心しながら、男の言う方向に進んだ
町並みは先進国だなといった感じだが、人通り車どおりは少ない
歩道が狭いので、走行の安定しないA-Bikeで車道を走らなければならず、なかなか怖いと思った。
時折自転車とすれ違うが、ツールドフランスにでもいけそうな本気の格好をした者ばかりで
こちらを物珍しそうにうかがっていたw
※糸杉が綺麗にならんでいる、何気にヨーロッパで見たかった景色だ
道中には糸杉や、小さな教会などを見ることが出来て
機動力の高い自転車ならではだなと爽快な気分だった。
※美しい町並み、通りにはレストランや雑貨屋が軒を連ねる
さらに道に沿って進んでいくと、だんだんと人も見え始めて、やがてはすっかりと街になった。手元のGPSがここがリマソールだと指している
細くこじんまりとした道、小さな建物が列挙している、歴史を感じさせる美しい町並みだ。
自転車を降りてぶらり旅をば、時折鮮やかな花が軒先に飾られていて、ヨーロッパを肌で感じだ。
暫くすると小さな仕立物屋を発見、今は使われてこそいないだろうが古いアイロン台が飾ってあって、町並みによく溶け込んでいる。
中をうかがう俺にまさか客であるはずはないと興味を示したのか
がたいの良いおばちゃんが外に出てきた。
とっても気さくに
「ようこそこの美しい国へ!!」
と話しかけてきた。
旅のあらましなどを一通りおしゃべりすると、おばちゃんの興味は次第にA-Bikeに…。
まさかとは思ったが、なんと乗りたいと言い出した。。。
お世辞にも琴錦より痩せていますねとは言えないその巨漢を前に、刹那の間うろたえたが、気持ちの良い2つ返事が出来たに違いない、この旅のヨーロッパでの一番のGood jobだったに違いないw
軋みながらもバイクは何とか耐えてくれたw
引き続き美しい町並みをじっくりゆっくり散策した、この旅初めての一人を満喫する。
途中に見事なウォールアートを発見、美しい町並みには一つとして馴染まないが、出来が良いために残しているのではないかと思わせた、こういった予想外の出会いも旅の醍醐味だ。
と、やや空腹を感じて中心地へ戻る。
数件レストランが密集しているエリアに戻り店探し、すると小さな城のような建物を発見、そこにはピースボートの自由行動面々が数人
肝心の城は、入場料が不要な範囲まで見学してそうそうに立ち去った
一軒の雰囲気の明るくて開放的な店に入った。
一人なので奮発でもするかと、20ユーロを超える豚のステーキを注文
程良い厚切りなので豊かな噛みごたえで、噛むごとににじみ出る豚の脂の甘みと、臭みを打ち消すのみならず
料理に個性を与えるほどの香草の香り、ギリシャ料理を思わせるそれに舌鼓を打った♪
ほんとうに美味い!
久しぶりに唸るほどの物を食べた。
と、隣の席に見慣れたご一行w 弟達だw
彼らの方が後にやってきたのだが、頼んだ料理の関係なのか俺より一足先に店を後にした。
料理の量が思ったより多かったので、ドギーバックにでも詰めて海岸あたりをぶらぶらしようと思っていたところ、彼らのメンバーの一人が鞄を忘れたらしく取りに戻って来たのだ、それだけでなく、チャーターした大型タクシーに少し空きがあるとのことで一緒にどうかという展開に。
旅の仲間が一挙に、8人増えた。
その待合いのつかの間に、ドギーバックに積み込まれる予定だった極上の豚肉達は
弟とアームさんという名のハイエナ共にあっと言う間に平らげられてしまったのだったw
そう、またアームさん
縁深し
グループはしーなちゃんという若くてどことなくいつも眠そうな顔をしているが、実際は感心するほど良くできた女の子が仕切っていた。
弟も巻きのH君も、彼女と比べると小さく見えるw
突然乗り合わせることになったタクシーは、世界遺産の街パフォスを目指しながら、道中見所に寄っていくという。
最初はコロッシ城を目指す。
曲がりくねった山道を進む、途中遠くまで見晴らしの良い緩やかな丘に糸杉が連なる光景を見ることが出来た
ただ漠然と、ヨーロッパで見たいと思っていた景色の一つにこんなに早く遭遇したのは、嬉しい誤算だった。
そうこうするとコロッシ城到着、いくらかユーロを払い見学、こじんまりとした砦だ、ただあたりが見渡しやすい位置に配置されているのは、砦の最上階に上がるとよくわかる
※コロッシ城、ゲームのマリオのクッパ城のようだ、あたりにはオリーブの木がいくつか実をつけていた
このような小さな国の片田舎にも例外なく戦乱の世があったのだと思うと、少し驚く
次に、暫く車を走らせて到着したのは古代から今も尚使われる現役の劇場まであるというクリオン遺跡、となりにはモザイクタイルの床もあった
※クリオン遺跡横の劇場、今でも時折つかう現役の劇場だ、下から声を出すと響き渡るよう造られている
高台にあるその場所からは、緩やかに下る大地と、穏やかな碧い海に少し陰った陽が海を大きく照らしていた
なんとなく此処で女神が産まれたと言われると納得してしまいそうな気がした。
その海を横目に、いよいよ誕生の聖地へと赴く、絵画で有名なヴィーナスの誕生のモチーフとなった場所らしい
イタリアで実際に見た名画のその舞台に居ると思うと心が躍る
※アフロディーテの岩、ここからギリシャ神話が誕生したそうだ
海岸にはとてつもない大岩がどっしりと構えていた、タクシーの運転手曰くだが、この岩は大男が投げ込んだという伝説があるのだそうだw
久しぶりのビーチに童心にかえって走り回った
波打ち際の上れそうな大きな岩に登り写真を撮った、
H君も挑戦したのだが、陸に戻るときに波に足を掬われてしまい転んでいた。
大爆笑だったが、目の粗い岩肌に危うく顔面を打ちつける寸でのところだったので、大事には至らなくて本当に良かった。
少しずつ日も暮れ始めた、徐々に寂しげだが更に美しさもます海岸に別れを告げ、車を走らせパフォスへ
賑やかな海岸沿いの観光地といった感じ、灯る明かりが揺れる水面に映り込み、いっそうよい雰囲気である。
残念ながら少しの時間差でパフォス城に入ることは出来なかったが、夕日の加減か城壁が少しピンクに照らされていて
なかなか印象的な風景だった。
ここで夕食を採ることに、ワインと魚介を頂く
魚介は新鮮で美味しかった、ワインに限らず酒の味はあまりわからない方なのだが
ワインの生まれ故郷でワインを飲むという事に価値を感じていた
しばし土産物を探索し帰船の徒に付いた
以外にもこの旅始まって以来の一人行動から始まったのだが、予想外の冒険になって
かなり楽しい旅となったのだった。