知名度のある街のおかげで順序を間違えてしまった。
アカプルコ行きのチケットを購入した後になって現地の情報を調べ始めた
知られた街なので観光情報もザクザク出てくるだろうと思っていた
しかしgoogle先生が返す情報は非情にも
殺人、レイプ、強盗などのおどろおどろしい言葉で埋め尽くされていた。
その上、それほど観光資源も無いようだ
キャンセルしても返金は無いようだし覚悟を決めて行くことに
厳重な手荷物検査は危険度の裏付けはしても安心には結びつかなかった
なぜならおどろしい情報の中に
保安員とグルの輩が居て、武器の持ち込みを手伝いバスジャックするともあったからだ
荒い運転とその情報が脳裏から離れず
6時間あまりの走行時間に一睡も出来なかった
そんな恐怖心の中だからこそではあるが
ヒヤリとした出来事があった
バスの中ではほかの乗客や道路などにずっと目を配っていた訳だが
不自然にスピードが緩んだときがあった
警察の検問かも知れないが
検問に見せかけたバスジャック犯かも知れない
不安は増すばかりだった
バスは完全に停車したが
不思議なことに検問も警察官の姿も無いのである
道の両サイドは雑木林で明かりもなく
休憩をするには不自然な場所
不安から冷や汗が流れ落ちる
普段無神論者の俺もなにものかに祈ったほどだ
バスに乗り合わせた現地の人間でもそわそわしている者が居て
それが更に恐怖心を煽ったのだった
しばらくすると死角の一部から
ぞろぞろと4人ほどの男が姿を現した
身なりはどう見ても警察官には見えない
その瞬間
「やられた…。」
強い絶望が襲ってきた
命だけは許してもらいたい
欲を言えばパスポートだけは見逃して貰えないだろうか
絶望の中ではここまで極端に思考の幅が狭まるものなのだ
結局なんだったのかよくわからないが
バスはその検問のようなものを通過し
何事もなくアカプルコに着いたのだが
肝が冷えた経験であった
到着したアカプルコのバス停は24時間空いているらしく
またコンビニなども内部にあるので
明るくなるまでそこで仮眠などをとることができた
↓クリックでランキングがあがります。 応援ありがとうございます。。
にほんブログ村