旅のススメ
海外はおろか国内旅行すらおぼつかなかった管理人が
地球一周の船旅を通し徐々に旅なれていく様子と旅からの学びを詰め込んだ冒険の書
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[PB71] コロンビア(カルタヘナ) カリビアンの故郷

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※カルタヘナ旧市街、スペイン統治時代の名残が残る美しい街並

この国の名を聞くと俺の単純な脳細胞は
マフィア、左翼ゲリラを連想させる
暴力が支配した時代から幾分と経過した今も
まだまだ安定していないイメージがある

空はどんよりとした曇り空
ここのところ寄港地では綺麗な晴れ間に出会えていない


ピースボート71回クルーズでは
コロンビアきっての観光地カルタヘナなので
なかでは観光しやすい部類に入るはずだ
それでも旅行会社は、自由行動はオススメしないらしい

今回は初めてムーニー(※ニックネーム)と共に行動する
他にはH君アームさん等、これまでも寄港地を共にしたメンバーに加え
最終的には、便乗する人も入れると15人くらいで行動した

港には買い物する場所やレストランなどがあった
しばらく物色していると
同じGET(船内英会話のクラス)のRちゃん
女の一人行動は怖いから同行させて欲しいとお願いされ仲間に

港を出るとタクシーやバスのドライバーなどが旅客を待ちかまえていた

交渉するとかなり値が下がった
すると空きのある車内に次々とメンバー以外の人も入ってきた、
彼らの中の数人が共に行動するメンバーとなった
最初の交渉役が金に糸目をつけない年配の乗客だったら
彼らは全て言い値を払っていたのだろうか?
ろくに話も聞かずにバスに乗り込む人たちをみて少し恐ろしく感じた

なぜこれほどあっさりと値が下がったのだろうと考えていると
それもそのはず、彼らは観光地だけでなく土産物屋に連れて行くことにより
売り上げマージンを手に入れているようだ

こういった構図は良くあるのでめずらしくはないが
彼らの中の一番英語が堪能な人が
きちんと観光ガイドをしていたのには少し驚いた

バスは最初にサン・フェリペ要塞に着いた
大きな要塞で視界が塞がれて、要塞の向こう側を見ることはできない
スペイン統治時代に作られた建造物としては世界最大なのだそうだ

※サン・フェリペ城塞、時間があれば是非登ってみたかった

残念ながら時間の関係で入ることはできなかったが
要塞を登る人が遠めに豆粒程度に見えたので
その大きさをはっきり知ることが出来てよかった

次にバスは宝石店へ連れて行った
まず工場を見学し、加工の工程を見学し
奥にある店舗に導かれるよくあるパターンのものだ

※エメラルドの加工、見物客も多いのに集中して作業していた

宝石には惹かれなかったが
ジュエリーケースの中になぜか各国の紙幣が飾ってあったのと
有名人を揶揄したフェイクマネーがあり目を惹いた
エメラルドの加工現場を見ることが出来たのも
旅の良い思い出となった

バスに戻ると他のバスが来ていた
そのバスには船のお金持ちの年配の方たちが多く乗っていた
同じ出発地からだろうが、バス代もきっと向こうが高い
宝石だって買うかもしれない

たった少しの差で
こちらのバスは貧乏な若者達をたくさん乗せてしまった
大きく命運が分かれてしまったわけだw

おそらく誰一人と買い物しなかった宝石店を後にし
世界遺産の旧市街へと到着した
バスの乗客の大半の目的地だ

※旧市街、全ての部屋がお土産屋で賑わっている、頭にフルーツ籠をのせた女性も

黄色い鮮やかな壁の建物に土産物屋が軒を連ねている
観光客も多くどこの店も賑わっている

ウィンドウショッピングも早々に
アームさんとの事前の打ち合わせ通り
自力でマングローブの森ツアーを計画していたので
バスの運転手に交渉を持ちかけてみた

・マングローブの森のボートツアー
・旧市街地観光
・港への送迎
・今までのバス代

全て込みで一人20ドルで妥結した
決して安くないが、効率良く観光するにはこれが一番
各経費を小分けにぼったくられるよりはマシである。
ここで何人かのメンバーが入れ替わった

旧市街地は後ほどじっくり観光するとして
マングローブのある漁師村へと向かった

途中まではきちんと舗装された道を進んでいたのだが
村に近づくにつれて悪路となった
さらに深刻な洪水をもたらした豪雨によって
道はぬかるみ、所々冠水して通行不能になっていた

ドライバーは村の住人に迂回ルートを聞きながら
時に旋回し、時にバックしと進んだ

※漁師村の一角、マングローブの森に隣接するこの地域では家が浸水しかけていた

このあたりは最も貧しい人たちの住む村
災害の爪痕も、自然に癒えるまで行政は介入しないのだろう
ゆっくりとしか進まないバスのおかげで
遠目で外側だけでも、彼らの住生活を垣間見ることができたのは
かなり貴重な体験であった

ようやく海岸沿いに到着
いかにも質素で粗末な手漕ぎボートが数隻用意されていた
一隻に4人ずつ乗り込みマングローブの森に突入する
船はかなり揺れて、座っているのに転覆しそうな恐怖を覚えたw

※ボート、かなり揺れるのだが舟を漕ぐ男たちは船尾に立って船を操る

ボートはマングローブの森のトンネルに入るように
頭に触りそうな距離まで近づくこともある
水は濁り気味であまり生物の姿は確認できなかったが
カニなどは見ることができた

森の中に腰まで水に浸かりながら、手投げ網か抱えている漁師がいた
マングローブの森はこの地域の生活に密着している

※マングローブの森、頭上には何かの巣なども確認できた

海岸沿いに群生している逞しいマングローブの木々を見ると
砂漠化の抑止に貢献するかも知れないと思った人の
気持ちがわかった気がした

スリリングでなかなか楽しい遊覧が終わった
どんよりした曇り空ではあったが、幸い雨を降らすのは我慢してくれたようだ

バスは再び悪路を通り旧市街地へと向かった
城壁に囲まれた旧市街地は、漁師村とはうってかわり
スペイン統治時代の名残を感じさせる
美しく風情のある町並みでまるで国が違うようだった



この世界遺産でもある街の中には
教会などの見所も密集している
街を取り囲む高さ4mにも及ぶ城壁海賊対策に建造されたもので
海に向かって砲台がいくつも設置されていた
カリブの海賊と聞くと、ディズニーランドを思い出すおめでたい
世代に生まれたが
当時はこれほどの建造物を用意するほど深刻な問題だったのだろう

※城壁、海賊の脅威の凄さを感じさせる

ここで自由解散にして自由に観光
とんずらを恐れる運転手達が
俺について回るという、いつものスタイルだ

海賊船の前で写真を撮ってくれたりしたが
口を開けば値上げ交渉w

※海賊船、旧市街近く

俺の交渉で納得してついてきた人達に申し訳ないし
約束は約束と強く主張すると
折れぬ姿勢に男達は肩を竦めて爆笑し
お前を騙すのは諦めたといわんばかりに
急にフレンドリーに、彼らの家族の事や
コロンビアの事をいろいろと話してくれた

こういった出来事は寄港地のあちこちで経験した
この瞬間がたまらなく好きだ

いくら上手く値切ったところで
彼らにとっては大きな収入であり
ただの客に過ぎないだろうが

この瞬間は少しだけ人間同士という感覚を
感じることができるように思うからだ

男の話では
観光ビジネスはやはりモンキービジネスであり
簡単に金を稼ぐことが出来る手段である事

近年の経済政策とマフィアの掃討作戦は功を奏し
かつてのゲリラやマフィアの支配といった状況は
かなり改善されてきているという事

気付くと世界遺産の街の中で
ずいぶんと長く彼らとの会話に費やしてしまった

港にもどり各自解散
土産物屋で買い物したり
地ビールを少し飲んだりした

カルタヘナ、かなり思い出深い地となった
クルーズプランに入っていなかったら
注目すらしなかった国
こういった貴重な体験に出会えるのもクルーズの魅力なのかもしれない




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posted by アキ at 2010/12/15 15:36

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プロフィール
ニックネーム:アキ
誕生日:3月12日
性別:男
自己紹介:
英会話教室に10ヶ月通った後いきなりの飛行機での世界一周、その後たった1週間後にピースボート71回に乗船という、1年以内で違う方法で世界二周するという貴重な経験を。
旅は徐々にバックパッカー風になるも、片手にはモバイルを欠かさない。

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